https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_1005977_po_f1706c.pdf?contentNo=1&alternativeNo=
https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/keizai_prism/backnumber/h27pdf/201514104.pdf
この記事を見てコンビニ経営に興味を持ち「コンビニオーナーになってはいけない 便利さの裏側に隠された不都合な真実」といった書籍などでコンビニ経営の事を調べてみたら、かなり異質な経営をしている事がわかった。今の時点で私がわかっている範囲でこのコンビニ経営の問題点を記しておこうと思う。
まず違和感を覚えたのはコンビニ独自の会計処理だ。通常の会計処理(一般会計)とは別の会計処理により利益の計算を行っている。これを「コンビニ会計」という。
この「通常の会計処理」と「コンビニ会計における会計処理」を見ていこう。
これが通常の会計処理だ。
「売上高」は、私たちがコンビニで商品を買った代金を指す。
「売上原価」は、売上に対応した商品原価を指す。
「廃棄原価」は、未売上の商品原価を指す。
「売上総利益」は、商品販売した場合の利益であり「粗利」とも言われている。
この売上総利益を「コンビニ本部」と「店舗経営者(オーナー)」で分け合っていく。その割合は、「本部6:オーナー4」から「本部7:オーナー3」くらいと言われている。
これが大まかな通常の会計処理だ。
次に、「コンビニ会計」を見ていこう。
この会計処理の特徴は、「廃棄原価」の取扱いが特殊だということだ。この後の流れを図に示してみる。
この図に示した通り、廃棄商品の原価はオーナー負担なのである。これだけでは何が問題なのかあまりわからないかもしれない。
しかし、このコンビニ会計に加えて値引制限とドミナント戦略を加えたらどうなるか、これを考えていこうと思う。
わかりやすく値引制限と書いてるが、別名で「見切り販売の制限」という。コンビニで値下げをあまり見ないのは本部が値引きをよく思っていないという事情からきているそうだ。値引きをよく思っていない理由は正確にはわからないが、この辺はいろいろ考えられる。
まず、本部は廃棄が出ても「少しも損をしない」のだ。上記の会計処理の流れ図をよく見たらお気づきになると思うが、本部は「コンビニ会計」を用いた会計処理をすると、100%赤字が出ないのだ。正確には少し違うかもしれないが、廃棄原価をオーナーに負担させた時点で損失は全てオーナーが被ることが決定している。
当然の話だが、オーナーは値引販売をしてなるべく商品を全て販売してしまいたい。なぜなら、売上が伸びるというのもあるが、廃棄が出なければ商品原価を「本部」と「オーナー」の両者で負担することになり、オーナーの負担が減る仕組みになっているからだ。
しかし、本部としては値引販売されてしまうと売上の旨味は減るにも関わらず原価を負担しなければならなくなる。コンビニに売り切りが定着して大幅値下げをすれば、「損失(原価割れ販売)」を本部とオーナーで分け合うことにもなりかねない。
こういった背景によって本部は値引きをよく思わないと考えられる。本部は「廃棄予算」なんていうのも組んでいるくらい、廃棄を想定して商売をしているのだ。
コンビニの経営戦略を語るうえで私たちもよく知っているのがドミナント戦略だ。これは地域にたくさん店舗を出店することでその地域の独占などを画策する戦略である。
このドミナント戦略を行うことの問題点の1つとして「店舗ごとの売上が減る」ことがあげられる。
上記の「コンビニ会計」と「値引制限」に加え、「ドミナント戦略」による店舗ごとの売上減少という3重苦によってオーナーは過重な負担を背負わされているのだ。
一方で、本部は赤字を計上することなく利益を頂けるという仕組みになっている。
2017年の5月にセブンの社長がこんなことを言っていたので載せておく。
私はこんな経営はおかしい(労働者搾取)と思う。コンビニ経営の問題点をいろいろ上げたが、最大の問題点は「コンビニ会計」という搾取システムだろう。24時間経営の有無も考えるべきだが、この搾取システムを変えない限りコンビニ問題が解決することはないと考えている。一刻も早くセブンには「コンビニ会計」を見直してほしい。
契約も大事ですが、セブン・ジャパンは売上高8498億円、うち加盟店収入7433億円、驚異の粗利率91.5%を達成しており、それを還元なされてからでもよいのでは。 pic.twitter.com/WZn5jKttTa
— Ryo Kawada (@Ryokawada1) March 24, 2019
どんな試験でも実際に受験したら予想外の出来事に遭遇し
「ええーーっ!?」
と、慌てたことはありませんか?
私はあります。
どんな事でもそうだと思いますが、実際にやってみて初めて気がつく事があります。
そこで私は2019年4月某日、実際に以下の試験を受けてみました。
簿記初級・原価計算初級
この記事は、日商簿記検定を受験して、" 実際に私が感じた事 " と " どんな内容の試験だったか " について記したものです。(あとおまけで、私の試験結果の画像も載せています。)
日商簿記検定は通常、受験日が年間で3回(1級は2回)と決められており、受験会場は全国各地にある商工会議所となっている。神奈川県では14ヶ所の商工会議所が存在する。
しかし、「簿記初級」と「原価計算初級」はネット試験であり、受験日を好きな時に選べる(受験会場の都合はある。)ため、かなり自分の都合に合わすことのできる試験だと思う。
ネット試験会場は神奈川県では30ヶ所と、1級~3級の受験会場である商工会議所の数よりも多くなっている。
私は自宅から一番近い試験会場を選んだ。そこは横浜市・戸塚駅の近くにある「合資会社アルファ」というパソコン教室だった。
試験当日、私は18時15分からの試験を予約していた。
そのため、18時には着くよう試験会場に向かった。
18時の5分前には試験会場に到着し、中山NSビルの6階に受験会場がある事を確認し、私はエレベーターに乗って向かった。
6階に着きエレベーターの扉が空くと、そこには狭い空間と1つの扉があった。
私は扉を開けて、部屋に入っていった。そこに映った光景は、自分が思い描いていたパソコン教室とは全く異なる空間だった。
「パソコン教室というより古びた事務所だな」
パソコン教室と言えばたくさんのパソコンが置いてあるというイメージだったが、そこに置いてあったパソコンの数は2、3個と少なく、部屋の広さは8畳くらいといったところだった。
そして、パソコン教室のおじさんが私を迎え入れてくれた。人がもう少しいるかと思っていたが、中にはその試験員のおじさんだけだった。
私は中に入り、パソコンの前に案内された。
そのパソコンはWindowsで、かなり古い型のデスクトップパソコンだった。
私は席に座り、試験員のおじさんさんに「身分証」と「電卓」を出すよう指示された。
私は電卓を持っていなかったので、「電卓は持ってないです。」と返答した。
簿記の試験と言えば電卓は必須アイテムだが、簿記の試験においては「計算機能のみ」の電卓という指定がある。
私は「計算機能のみ」の電卓を持っていなかったし、家の近くにもそれは売ってなく、電卓が無いことに直前で気付いたので、電卓なしで試験を受ける事になってしまった。
試験員のおじさんさんからは「わかりました。」という返答をいただいた。
そして「スマホは音が出ないようにしてロッカーにしまってください」と言われ、パソコン教室内に置いてあったロッカーにスマホを閉まった。
そしてロッカーの鍵を閉め、その鍵をズボンのポケットに入れパソコンのある席に戻った。
開始時刻を待たず、ここから試験の説明が始まった。といっても、私は「簿記初級」と「原価計算初級」の2科目を連続して受ける事になっていたので、「1科目試験終了後はトイレに行けますよ。」という簡単なものだった。
パソコンの横に受験番号とパスワードが書いてある紙が置いてあったため、私はそれをパソコンに打ち込んだ。
この辺の流れはネット試験体験版と全く同じであるため、これから受験される方はできれば体験版プログラムを見て本試験の流れに慣れておくのもよいと思います。(体験版プログラムは、Windowsしかできないみたいです。あと、体験版プログラムは本試験よりも問題数が少なくなっている。)
私は名前、性別、職業、生年月日を入力し、試験開始ボタンを押して最初の科目である「簿記初級」の試験を開始した。
「問題1→ 空欄の穴埋め」 30点満点
「問題2→ 仕訳問題」 40点満点
「問題3→ 試算表」 30点満点
という流れだった。(ここから先は、簿記の知識を絡めながら話を進めていきます。)
試験時間は40分であり、カウントダウン式でパソコン画面の下に時間が表示されていた。時間は、1秒1秒ゆっくりと減っていった。
私は「問題1」から解き始めた。問題1はサンプル問題と同じく、10個の穴埋め問題だった。
問題を見てみると、サンプル問題と全く同じ問題が出ている事に気づいた。
サンプル問題の「問題1 ①、②、⑤、⑥、⑦、⑧」は、本試験と全く同じ。
他の問題も聞き方を少し変えてるだけで、似たような感じの問題であった。
私は、焦ることなくゆっくり問題を解いていった。体験版をやった方はわかると思うが、本試験も空欄をクリックすると4つの選択肢が出るというふうになっている。
残り時間を36分残し、私は問題1を解き終えた。続いて問題2を解き始めた。
仕訳問題が10問用意されていた。
問題2も、勘定科目を6個の選択肢から選び、金額をキーボードで入力する形式で体験版・サンプル問題と全く同じ形式であった。こちらは内容まで正確に覚えていないが、特段の捻りもなくサンプル問題とほぼ同じような内容の問題であった。
問題2も解き終え、残り時間は28分ほどだったか。
私は「簡単だな~」と心の中で余裕を持ち始めていた。
問題3の試算表の問題は、「残高試算表」が出題された。
あまり勉強されていない方は試算表についてよくわからないと思うが、試算表には
・「合計試算表」
・「残高試算表」
・「合計残高試算表」
の3種類ある。
「残高試算表」はこの3種類の中でも、記入が簡便なタイプだ。
問題3の内容はサンプル問題と同じく、「試算表の金額の穴埋め」 と 「5つの問いに答える」というものだ。
だが試算表に記載されている各勘定科目の金額は、試算表の上に既に示されていた。
私はこの事に疑問を感じた。
なぜなら試算表の上に与えられている各科目ごとの金額を、そのまま試算表に写していくだけのものだったからだ。(サンプル問題の合計残高試算表を見ると、始めから各科目の合計金額が記入されているが、残高金額は受験生に計算させる様になっている。)
「どういう意味だこれ? 簡単すぎやしないか?」
既に与えれている金額をただ写していくだけの試験なんて、今まで私は受けたことがない。
「これは満点確実だな」
こう思った私は、ある勘定科目を見たとき手が止まった。
「資本金 差額」
資本金に金額が与えられていない? うん? つまりどういうことだ?
・・・借方合計金額を求めて、そこから資本金を差額計算して求めろという事か!
電卓いるじゃないかー!!
これは文字だけでは伝えにくいが、簡単に言えば「足し算と引き算を何回もやり、資本金の金額を差額として算出しなさい。」という事だ。
当然、紙に書いて計算することもできない。全て頭の中で計算をやらなければならないという事だ。
私は試験前には簡単な暗算しかないと思っていたため、予想外の難しい暗算に戸惑った。
3桁・4桁の足し算・引き算だったため、日頃電卓慣れしてて暗算慣れしていない私はこの状況にかなり苦しんだ。
手汗を書き、頭の中は軽い混乱を起こしていたため暗算をするのが非常に困難だった。そんな状況だったが、とりあえず全ての箇所を入力し試験を終えた。
試験終了ボタンをクリックし、試験終了の確認ボタンをクリックしたら、合否判定と点数が即座に画面に表示される。
私は恐怖心を感じながら確認ボタンをクリックした。
なんと88点!
やはり第3問を落としていた。。(30点満点の内、18点)
この結果を見た瞬間、私はひどくガッカリした。というのも100点を取る気でいたので、100点はおろか90点台でもなかった事にショックを受けた。
試験は終わり、試験官のおじさんに「トイレに行きますか?」と聞かれた。私は「行かないです。」と答え、すぐに次の試験をスタートさせた。
「原価計算初級」の試験構成は、
「問題1→ 語句選択問題」 44点満点
「問題2→ CVP分析」 24点満点
「問題3→ 個別原価計算」 32点満点
という流れだった。
簿記初級のショックを引きずりながら、「問題1」から解き始めた。ショックが頭から離れなかった。
しかし、いつまでもショックを引きずっててもしょうがないので3つほど問題を解いたあたりから頭を切り替えた。
問題1はサンプル問題と同じ、14問であった。内訳は、穴埋め問題が13問、仕訳の選択問題が1問だ。
穴埋め問題は、ほとんどサンプル問題と同じ内容の問題だった(多少問われ方は違ったかもしれないが、選択肢はどれも見覚えがあるものばかり)。こんなにもサンプル問題と同じような感じでいいのか?というくらい一緒だ。
仕訳の選択問題はサンプル問題とは異なり、「材料消費時」の仕訳を聞かれた。ここだけは、サンプル問題と違っていたと言える。
私はゆっくり・確実に問題を解いていく事で、落ち着きを取り戻していった。
残り時間は28分程だったか。私は問題1を解き終えた。続いて問題2を眺めてみた。
「計算問題だ・・」
計算問題がある事は百も承知だったのだが、簿記初級の時のショックもあり暗算をしなければいけないという事実に私は完全に尻込みしていた。
問題2をとばし、問題3に取り掛かろうとしたがこちらも計算問題。この時わたしは完全に冷静さを欠き、手汗をかなりかいていた。
私は現実逃避を始め、5分くらいぼーっとしていた。
「合格すらできないのでは?」という事すら頭をよぎった。
残り23分。「解くしかない!」と頭を切り替え、問題2から取り組み始めた。
問題2はCVP分析の計算問題だった。
この問題では、貢献利益率を使って損益分岐点販売量を求める計算が2問あった。
要は掛け算・割り算を暗算でしなければいけないという事だ。私は指を机の上で動かし、 必死に計算した。
解いていく事で気づいたが、簿記初級の時と違って連続して計算させてくる事はなかったため、原価計算初級の暗算の方が簡単だという事に気付いた。
この事に気付いた私は余裕を取り戻し、あっという間に問題2を解き終えた。
問題2はサンプル問題と多少問われ方は違ったが、「損益分岐点販売量」や「条件を付与した場合の売上高(例えば、営業利益が10万円という条件時の「売上高」はいくらか?など)」を求めさせたりと、CVP分析におけるシンプルな問題だった。
「やっと試験らしい問題が出たな」と思った。
CVP分析は、サンプル問題や練習問題を何度も解いて、C(原価)V(販売量)P(利益)の構造をある程度理解すれば、本番の試験には十分対応できる。
売上高、販売量、変動費、固定費、貢献利益額、貢献利益率、営業利益。
ここら辺の関係をしっかり理解して試験に臨もう。そうすれば、損益計算書の構造に対する理解も深まると思う。
続いて問題3に取りかかった。改めて落ち着いて問題を眺めたら、ものすごくシンプルな問題だった。 というか、サンプル問題と全く一緒だ・・
直接材料費・直接労務費・製造間接費を計算(単価 × 数量・時間)して、製品原価の明細と損益計算書に計算数値を当てはめていくだけだった。
こちらもサンプル問題や体験版プログラムを解いておけば簡単に対応できると感じた。
原価計算初級の試験を終え、合否判定の画面が表示された。
100点を取る事ができた。
わたしはこの結果にホッとした。
両試験を無事合格して終える事ができた。
帰る準備をし、試験員のおじさんに合格証を送付してもらうためのレターパックに自分の住所を記述し、送料510円を渡し試験会場を後にした。
(送料と2科目分の受験料の明細)
試験を受けて1番驚いたことは、「サンプル問題」と「本試験問題」がほぼ全く一緒だったことだ。
初級ということで試験範囲は狭いのかもしれないが、もう少し変えればいいのでは?と思った。
しかし、簿記の勉強を始める方にとってはどんな問題がでるのか明確なため、勉強をしやすい試験であるとも思った。
1つ気になった事は、私の受験会場には他の受験者がいなかったため、試験官と2人だけだった。全ての受験会場がそうだとは思わないが、この様なこともあるかもしれないという事は考えておいた方が良いかもしれない。(女性に言っています。)
最後に、ネット試験を実際に受けて分かったポイントを5つまとめてみた。
その1:受験日時を自分の都合で選択できる!(試験会場の都合はある。)
その2:試験官と2人っきりになることもある!
その3:計算機能のみの電卓は準備しづらい!
その4:試験においてやはり電卓は必要だ!
その5:「サンプル問題」と「本試験問題」が、ほとんど一緒!!!!!(試験をどの程度の頻度で変更しているかは不明)
以上が私がネット試験を実際に受験して分かったことだ。
この記事を見た受験生の参考になれば幸いだ。
Good Luck('ω')